なぜ妊娠しないの?
不妊にはいくつかの原因があります。まずは、その原因について知っておきましょう。
不妊の原因には・・・
<卵管障害>
精子や卵子・受精卵の通り道である卵管が、何らかの原因で詰まることで妊娠が難しくなってしまう状態です。女性の不妊原因で最も多く、約30~40%を占めると言われています。
<排卵障害>
卵巣内で卵が育たない、あるいは育っても排卵しない状態。女性不妊の4分の1がこの排卵障害だと言われています。
<排卵障害>
卵巣内で卵が育たない、あるいは育っても排卵しない状態。女性不妊の4分の1がこの排卵障害だと言われています。
<着床障害>
子宮内膜の状態が悪いため、受精卵がうまく着床できず妊娠の確率が下がってしまう状態のことです。
<子宮内膜症>
子宮の内側にある内膜が、何らかの原因により子宮内部以外にも発生してしまう病気で、重症になると卵管を詰まらせ卵管障害を招いたり、卵巣に発生すると排卵障害を招く原因となってしまいます。
<黄体機能不全>
排卵後、卵胞は黄体と呼ばれるものに変化し、女性ホルモンの一種である黄体ホルモンを大量に分泌します。そして、黄体ホルモンの分泌により受精卵が着床しやすいよう子宮内膜が増殖して行きます。しかし、黄体ホルモン分泌が弱いと子宮内膜が増殖せず着床障害を招いてしまいます。この状態を黄体機能不全と呼びます。
<高プロラクチン血症>
出産時、乳汁を分泌させるために脳下垂体から分泌されるプロラクチンというホルモンが、妊娠していないにも関わらず多量に分泌される状態のことです。このホルモンには生理や排卵を抑える働きがあるため、黄体機能不全や排卵障害を招き不妊症の原因となってしまいます。
<機能性不妊>
さまざまな検査をしても原因が見つからない、そんな原因不明の不妊症を機能性不妊と呼びます。不妊症の約一割を占めていると言われています。
<性感染症>
性交渉によりクラミジアや淋病などの性感染症にかかると、子宮頸管や卵管に炎症を起こし、不妊の原因となることがあります。自覚症状がほぼ無いことから年々世界的に増加していると言われています。性感染症は、産道感染により生まれて来る赤ちゃんが結膜炎や肺炎にかかってしまう恐れがあるため、出産前に治療しておく必要があります。
<抗精子抗体>
本来異物ではない精子を異物であると認識し、排除しようとアレルギー反応を起こしてしまう抗体のことです。抗精子抗体は主に、子宮頸管から子宮頸管粘液、子宮腔、卵管内などに発生し、進入してきた精子を拒絶してしまうことから妊娠の確率が下がってしまいます。
<乏精子症>
精子の濃度が著しく低く、20×106/ml(2000万匹/1ミリリットル)以下のものを言います。ただし、体調や環境によりばらつきが非常に大きいため、診断には複数回の検査が必要です。
<精子無力症>
精子運動率が50%未満、または高速に直進する精子の率が25%未満のものを言いいます。ただし、乏精子症と同じく、ばらつきが大きいため、診断には複数回の検査が必要です。現在のところ、原因究明が一番難しいとされています。
不妊の原因はさまざまです
このように不妊の原因は様々です。
西洋医学での不妊治療は、不妊の原因が何かを検査して原因が解明できれば、その治療に専念します。しかし、その治療が、対症療法的におこなわれることが多く、副作用が起こることが、少なくありません。
例えば、卵の発育が思わしくない場合は、ホルモン剤の強い刺激で排卵を促進したり黄体機能を刺激しますので、その副作用のために不妊治療が続けられない場合も出てくるのです。東洋医学では、むしろ弱っている生殖機能を回復させたり、血行を改善しながらホルモンの働きを高めたり、自前のホルモンをしっかり出せるような体に導いたりして、不妊の原因を解消してゆきます。
結果を感じるまでには多少の時間はかかりますが、確実でとても体に優しい治療といえます。
基礎体温測っていますか?
基礎体温を測っていると「なかなかキレイなニ相にならなくてイライラする」、そんなお声をよく聞かれます。でも基礎体温がキレイなニ相になっていないと妊娠できない、というわけではありません。ただ基礎体温から得られる情報は、身体の内なる声をよく反映します。また、何よりひと月に一回ある大事なチャンスを的確に示してくれる場合もあるので毎日の習慣にするのがおすすめです。
1、理想的な基礎体温の波形
理想的な基礎体温の波形は
■高温期が12~14日ほど持続
■高温期が37度近くまで上がり、低温期との差が0.3度以上あること
■低温期から高温期に2~3日で移行するのが理想的
2、高温期が短いタイプ
■低温期が長く、高温期が短い(10日未満)
この基礎体温のグラフ波形から生殖器の冷え、あるいは子宮が冷えて、血液循環が悪い状態ということがわかります。東洋医学では「血虚」といい、血の不足により卵子の成熟が悪く、排卵が遅れ、その結果黄体ホルモンの分泌が悪くなります。
西洋医学では黄体機能不全、軽度の排卵障害が考えられます。
体を温め、血や陽気を補う漢方薬の服用をオススメします。
3、高温期が安定しないタイプ
■高温期を保ちきれず、途中で一時的に体温が下がる
■排卵しているが、黄体機能不全で、妊娠しても流産しやすくなる
この基礎体温のグラフ波形から、生殖器系・消化器系の機能低下・ストレスや自律神経の乱れた状態・エネルギー不足・血液の栄養分の不足した状態であること、また、高温期を維持するだけの体の熱がないということがわかります。
黄体の機能が弱いことや、プロラクチン値が高いことが考えられ、疲れやすい方や貧血の方に多いタイプです。体を温め、補陽する漢方や、補腎薬を服用します。また日頃の食養生やゆっくりお風呂につかる習慣が大切です。
4、高温期への移行に時間がかかるタイプ
■低温期から高温期へは1~2日で上がるのが理想ですが、数日かかって上がり排卵日が分からない
この基礎体温のグラフ波形から身体が冷えているということ、一気に高温期に持っていく活力がないということがわかります。
生殖機能の低下・冷え・ストレス・自律神経の乱れ・血行不良が考えられます。
プロラクチン値が高い・排卵困難などの場合に多いタイプです。
5、ガタガタで変動が激しいタイプ
■1日、数日後とに変動するので波形がガタガタになる
■低温期と高温期の境目が分かりずらい
この基礎体温のグラフ波形からストレスがかなりたまっているということがわかります。
生殖機能の低下・冷え・ストレス・自律神経の乱れ・感情の変動が激しい・情緒の乱れが考えられます。
プロラクチン値が高い方や、ストレスに弱い方に多いタイプです。
6、高温期が低いタイプ
■高温期になっても体温が上がりきらず温度が低い
■高温期と低温期の温度差が0.3度未満と温度差が小さい
この基礎体温の波形から生殖機能の低下・冷えが考えられます。
黄体期が弱いタイプです。
7、低温期が長いタイプ
■多少長い程度なら良いが、生理周期が39日を超えるなど、長すぎると稀発月経なる
■低温期が長すぎると排卵の機会が少なくなる
この基礎体温のグラフ波形から冷えにより血流が悪い状態で、子宮や卵巣の血流が低下、生殖機能も低下しているということが考えられます。