今回は男性因子についての
「男性の年齢はART(ICSIやIVF)の治療成績に影響を及ぼすのか?」
という演題をピックアップしてご紹介します。
イギリスの研究チームは、男性の年齢は妊娠率や流産率にどのような影響を及ぼすのかを検討すべく、4271名の男性パートナーの4833周期のART治療を対象とした後ろ向き研究を実施しています。
男性パートナーの年齢で5つのグループ(①35歳以下、②36-40歳、③42-44歳、④45-50歳、⑤51歳以上)にわけ、精液初所見や治療成績との関連を解析しました。
精液所見では、51歳以上の男性では精液所見がWHOの基準に達していたのは42%(56/133)で、51歳未満の男性の61%に比べて有意に低いことがわかりました。
全体の周期あたりの妊娠率は41.8%(2019/4833)でしたが、女性の年齢が35歳未満(51.1%)に比べて40歳以上(21.7%)では妊娠率は有意に低下しまし、女性の年齢の影響は顕著でした。
一方、男性パートナーの年齢が35歳未満(49.9%)に比べて36-40歳(42.5%)、41-45歳(35.2%)、46-50歳(32.8%)、そして、51歳以上(30.5%)と年齢が高くなるのに従って妊娠率が低くなり、女性の年齢やその他、影響する因子を統計学的に排除した結果、51歳以上になると有意に低下することがわかりました。
男性の年齢が51歳以上になるとART成績にマイナスの影響を及ぼすことがわかりました。
【精子を作るための流れ】
男性は、はじめに、視床下部が「精子を作れ」と下垂体に号令をかけます。
この時期に視床下部からGnRHという性腺刺激ホルモン放出ホルモンを出して下垂体を刺激します。
視床下部から命令を受けた下垂体のゴナドトロピン分泌細胞は、LH(黄体ホルモン)とFSH(卵胞刺激ホルモン)というホルモンを分泌し精子の製造工場である精巣に働きかけます。
LHやFSHは女性だけではなく男性でも重要な役割を果たしています。(ちなみにLHとFSHを総称してゴナドトロピンと言います)
LHは精巣内のライディッヒ細胞を刺激し男性ホルモンであるテストステロンを産制し、FSHは精子生産部門であるセルトリ細胞に作用して精子の産制を促進します。
精細菅では精粗細胞が第一次精母細胞⇒前期精子細胞⇒精子の順で分化し精子になります。
ヒト精子の形成には少なくとも64日間かかり、この日数は通常一生変わらないとされています。
当店で女性だけでなく男性にもご紹介する漢方茶「たんぽぽ茶ショウキT-1エキス」はセルトリ細胞、生殖細胞、精巣内のライディッヒ細胞のホルモンレセプターに働きかけてホルモンレセプターを増やす事により精子の増成に寄与します。
参考になれば幸いです。